赤い提灯が灯り、立ち並ぶ屋台がいい匂いを漂わせる市中では、好兄弟(ハオションディ)の噂が流れていた。彼らは身寄りがないため弔いを受けず、長い時を漂うという。市中から離れた山の上に、ひっそりと佇む屋敷があり、噂の渦中である好兄弟が暮らしていた。死んでいるのに存在していて、未練を残しているのに、それを忘れて暮らしている。
二郎(アーラン)と雨滴(ウテキ)は好兄弟に会いに行こうと、深夜の列車に乗り込んだ。たどり着いたのは、西洋造りの家々が連なる廃墟の街。奥へ進むと、森に隠されるように屋敷が建っていた。
彼らの来訪をきっかけに、連鎖して過去が明らかになっていく。